僕は基本操作しかわからない状態でCGデザイナーに就職したので、ほとんど仕事で覚えました。
チェックムービーを提出して、そのフィードバックで
「このカットは、迫力を出したいのでカメラをこんな感じにしてください」
のような指示があるので、「ふむふむ、なるほど、こういう時は、こういう感じにすればいいのか」とそこで学ぶわけです。
で、最近は少し慣れてきた部分もあるので(自信はないけど)
主にアニメやパチスロのお仕事でのお話だけど、どんな感じか紹介してみよう。
とにかく手振れを入れろ!
よくあるのが手振れを入れるカット。
「手振れを入れたら映画みたいにかっこよくなるし、リアリティがあるのだ」という風潮が強い。
もうCGソフトのほうで手振れを簡単につけれるパラメータを追加して欲しいくらい。
コンポジットのことを考えると、AfterEffectsのウィグルで済ましたいとこだけど、「CG上で手振れを入れたほうがよりリアル」というのがプロの意見なのだろう。
直前のカットとは変化させよ!
カットで変化をつけるのは基本だけど、たまに絵コンテであんまり前後のカットで変化がない時があります。
そんな時でも、できるだけ変化を持たせるのが良いのだそうで。
例えばカメラの集点距離を変える。
ややアオリにしてみる。
すこしロールを入れてみる。
など。
キャラと背景を別カメラにしちゃいな!
例えば、背景だけワイドにして広い感じを演出するなど。
他にもキャラにつけパンしてカメラをつけた時に、キャラにあわせると背景がカクついちゃう時なんかも背景は別カメラにしちゃえば簡単に対応できる。
状況にあわせて柔軟に対応することが大事なのだ。
とにかくパスアニメーション!
カメラが回り込んだり、大きな動きをするときはカメラをパスに沿わせて移動させるパスアニメーションのほうが制御しやすい。
とにかくCGのカメラというのは回りこみがちなのだ。
「回りこむことがCGの利点である!」とでも考えているのだろう。
せっかくCGなんだから回り込もう、という考えだろう。
それが例え無意味でも。
迫力を出したければとにかくワイドでアオれ!
まぁ、そういうことです。
やりすぎてもあれだけど。
どれくらいかな、20~30mmくらいかね。
キャラのアップは望遠で!
カメラが近づくと、ワイドだとキャラクターの顔が膨張しちゃうので、ある程度望遠にしたほうがしっくりきます。
60~100mmくらいで調整してみましょう。
これは実際のカメラでもそうで、スマホのカメラは多少ワイドなので、少し離れてズームして撮った顔のほうが良い顔が撮れますよ。
カットの始めはリニアスタート!
これは初心者がやってしまいがち。
カメラが動いてるカットだと、始まりはリニアにしたほうが前のカットとのつながりが良い時がよくありますからね。
カメラアニメーションだけじゃなく、キャラのモーションでもそうですが。
カット終わりはフェアリング!
カメラは基本、完全に止めないほうが良いかもです。
ギュン!とクイックトラックアップした後なんかは「最後はじわ~っとフェアリング」
がセットになることがよくあります。
グリッド表示して空間を制圧せよ!
これは映像の基本かもしれませんが、自分の目だけを信じてやってると「よし、いい感じだな」と思ってても、グリッドを表示してみると意外にバランスが悪いことがあります。
僕はMaxで作業するとき、カメラビューではいつも4×3のグリッドを表示しています。
このグリッドの頂点に人物を置くと良い感じになったりもするし、縦や横の空間のバランスを確認しながらやるのがおすすめです。
カメラをなめろ!
なめる。
というのは、例えばパンチモーションだと、カメラの目の前を拳が通ることにより、拳がおっきく見えるので迫力が増し、さらにその拳にちょいとつけパンすることで流れも出るという高等テクニックである!
人間の目は50mm!
正確に言えば、人間の目は複雑なので色々あるんだそうですが、とりあえずひとつの目安として。
たとえばキャラ目線のカメラなら、ひとまず50mm前後くらいで調整してみると良いと思います。
迫力を出すためにロールせよ!
カメラを回転させるということです。
見えかたとしては地平線を傾ける、ということですね。
例えばキャラがぎゅん!っとカメラに向かって飛んでくるとしましょう。
ぎゅん!の瞬間にぐいっとロールさせるわけですねぇ。
さらにそのロールも最後まで止まらないでフェアリングさせるようにしましょう。
まとめ
これが僕が仕事で学んだカメラワークのすべてです。
え?基本的すぎて極意でもなんでもない?
ちなみに自主制作アニメでは、仕事で培ったことなんて無視して、カメラを動かさない古典的な感じでやってます。
そっちのほうが味があって好きなので。
最近はぐりぐりカメラを動かす映像ばかりなので、固定カメラのほうが逆に新鮮になってきましたよね。
こちらは3dsmaxの使い方のチュートリアル記事になっていますので、合わせてどうぞ。