ある日、一匹狼さんと飲んでいたら、彼は得意げに話し始めました。
少々お酒が回っていたのかもしれません。
「なぁ、人間共がなぜ、facebookやtwitterみたいなSNSやブログに夢中になって、はまるのか知ってるか?
単純な話さ。
あれは本能なんだ。」
「オレら狼もよく遠吠えをして「俺はここにいるぞ」ってことをまわりに伝える。
それとまったく一緒のことだ。
つまり、野生の本能なんだよ、自分をアピールするのは。
意味なんて深く考える必要なんてないし、恥ずかしがる必要もない。」
「最近は「SNS疲れ」とか言って、そういうのをやめちまう奴もいるらしいな。
そういう奴に限って「俺は一匹狼だから」とか言い出すんだ。
どうやら人間共は一匹狼をかっこいいと思っているらしい。」
「ほんとの一匹狼は、一匹になんてなりたくないのによ。。
・・・少し飲みすぎたみたいだ。
じゃあまたな。」
そういうと、一匹狼さんは心なしか寂しそうな表情を浮かべ帰っていきました。
そういえば昔テレビでやっていた「トリビアの泉」という番組で、僕が最も好きなトリビアがあるんです。
それは「バウリンガルを野生の一匹狼につけると何と言っているのか」というものでした。
結果を聞いて、なんともいえない不思議な気持ちになったのを今でも覚えています。
6kmに渡って大地に鳴り響き、人々に恐怖を与える狼の遠吠え。
孤独な一匹狼は実はこう言っていたのです。
「僕はなにをしたらいい?」