CGデザイナーのアリマと申します。
現在、様々な場所で3DCGが使用されていますけど、実際のところCGデザイナーの将来性はどうなのでしょうか?
しがないCGデザイナーの僕が考えたところで参考になるか怪し過ぎるけど、ちょっと考えてみよう。
ゲーム業界
ゲーム業界はスマホアプリが人気ですね。
僕もアプリゲームのモーションをつけたりすることがあります。
人気ということもあり、比較的単価も高いようですね。
「Unityやアンリアルエンジンが無料で使えるので自分でゲームを作ってみよう!」
なんてゆー人も増えてきています。
逆に言えば次から次にゲームアプリが出てくるので競争も激しくスマホアプリに専念してる会社はちょっとギャンブル的なところがありますね。。
実は後輩が出向してたゲーム会社があるんですが、勝負をかけたゲームが売れずにつぶれちゃいました。
大きい会社でPS4やスイッチなどの人気ゲームに携わるなら安定していると思います。
個人でも面白いものを作れちゃう時代で、自分で作って売るということも可能になりました。
CGデザイナーとエンジニアがタッグを組むことでインディーゲームをつくる、なんて事もこれから増えてきそう。
アニメ業界
アニメだとCGアニメ映画「STAND BY ME ドラえもん」がヒットしたり、CGで手描きアニメのように見せるセルルックアニメも増えてきてますし、これからますますCGが使われていくことが予想されますが、手描きのアニメーターのようにどんどん給料が減っていく恐れも考えれます。
すでに海外と提携することで人件費を抑えるという会社も出てきています。
ぼくの知り合いがやっている会社では、中国のアニメ案件を受けているとのことです。
海外と仕事をするという方向は、まだまだ可能性がありそうですね。
3Dプリンターの将来性
今業界で最も熱い視線を送られているのは3DプリンターとVR(バーチャルリアリティ)ではないでしょうか。
3Dプリンターが出てきた当初「お、これでCGできる人はみんなフィギュア屋さんになれるってことか?」とか思ってたら、やっぱりすぐにフィギュア屋さんをする会社が一杯出てきましたね。
日に日に進化してる3Dプリンターですが、どんなものが作られているかと申しますと。
フィギュア、ギプス、義足、銃、家、お菓子、服、化粧品、頭蓋骨、車。。
もはやイメージすらわきません。。。
とはいえまだまだ過渡期でこれからの分野ですので価格や強度など、さらに改善されていくでしょうから、いくら安い3Dプリンターが出たからといっても今はまだ早いかな。。
僕も自分でモデリングしたものを出力サービスを利用して出力してみましたが、値段とクオリティにまだまだ満足できるものではありませんでした。
でもスカルプトモデリングのソフトも簡単なものがあるし誰でもやろうと思えば出来るので、めちゃくちゃうまいモデラーさんならともかく、CGデザイナーの優位性がどこまであるか。。。
VR
ソニーからプレステVRが発売されたことで一気に認知度が上がったように思います。
僕も体験してみましたが、「これはやばい」と思いました。
完全に新しい世界の門が開かれたと言っていいでしょう。
でも、まだ液晶画面が目の前にあるだけなのですぐに目と頭が痛くなるので、これをどうやって解消するのか。。
VR以外にもARだったり、ホログラムだったり新しい技術は今、可能性を模索しているところですね。
すでに多くの人がその可能性に賭けています。
少し先の未来で、老人ばっかりの世界になった時には、VRで老人の人が海外旅行を楽しんだりしてるんでしょうねぇ。
パチスロ
規制強化によって倒産する会社も出てきたり、若者の客も減ってたりして「斜陽産業」と表現されています。
知り合いに話を聞くと、実際にパチスロの仕事は減っているようです。
パチスロからゲームアプリの時代になっていますね。
テレビ
テレビも最近は見ない人が増えてますし、テレビやCMの予算もどんどん減っていってるんですって。
でも、一定の視聴者はこれからもいるのでパイプの強い映像制作会社さんなら将来も安定してる気がします。
フリーランスの知り合いでテレビのお仕事をしてる人がいますが、「どうやって仕事を取ってるんですか?」と聞くと「昔働いてた時の知り合いがいる」ということでした。
結局、人脈というかパイプが大事なんですね。
音楽業界
CDが売れないのでミュージックPVは売れっ子じゃないとCGなんて使ってられないのではないでしょうか。
でも、ライブ市場は活気があるようなのでライブでスクリーンに流れる映像なんかの需要はこれからもあると思います。
これからはライブのように「体験にお金を払う」時代です。
独自の世界感があるクリエイターさんじゃないとなかなか依頼はないかもしれません。
「この世界感を僕のライブで使いたい!」と思ってもらえるように自分の世界感を発信し続ける必要があります。
それでも友人の超人気アニメ作家さんがミュージックPVを作っていて、「このままだと生活できない」なんて嘆いてましたからねぇ。。厳しい世界です。
実はぼくも自主制作アニメを見た人からミュージックビデオの依頼があったんですが、スケジュールと予算があわずあえなく断ることに。。
Youtube
最近はVtuberが人気ですね。
バーチャルユーチューバーというやつです。
他にも解説動画、動画広告などにも大きな可能性を感じます。
ノウハウ動画は一定の需要があるので、副業でやる人も増えてくるんじゃないかなと思います。
CGデザインのスキルだけでなく、発信する力を必要とされる時代になってますねぇ。
youtuberに映像をつくってあげる、編集してあげる、といった仕事の需要もあるでしょうね。
CGはより簡単になり単価も安くなる
これから(今もすでに?)CGは誰でも安く簡単に作れるようになります。
今でもフリーの素材やモデルはたくさんありますが、将来的にはわざわざ作らなくても大抵のものはダウンロードできちゃうでしょう。
無料ソフトのbrenderもありますし、今後はさらに進化してタブレットやスマホで指でちょちょいとするだけで出来たり、手で粘土をこねるようにCGのモデリングが出来たり、原物があれば3Dスキャンするだけで良くなると思います。
モーションだって、簡単にモーションキャプチャが出来ちゃうツールが出てくるはず。
これからは誰もが簡単に映像を作れるようになるので単価も下がります。
それではどうやって生き抜いていくか
映画をつくるような大きな会社や人気ゲームをつくる会社でばりばり働きたい人は心配なさそうです。
映像業界はまだまだ伸びていくと思うので、CGがすきで向上心をもってスキルを伸ばせる人は必ず成功すると思います。
でもblenderが流行れば流行るほど「小さい仕事の単価は安くなる」でしょうねぇ。
副業でCGやるような人も増えるでしょう。
色んな仕事を請け負うような、小さい映像制作会社は他と差別化できるような技術かオリジナリティを出していくかしないと生きていくのが難しくなってきそうですね。
例えばモーションに特化する、モデリングに特化する、というようにスペシャリストになる。「歴史物が得意です!」とか「動物ならまかせてください!」といった突き抜けた方向性を打ち出すということです。
CGデザイナーの未来
大きな仕事は減っていくので、個人と個人が繋がる時代がくるでしょう。
小さな個人が運営するネットショップのwebCM作ったりとか。
CGデザイナーとプログラマーが組んでアプリを作るとか。
細かい仕事をとりあうことになるんじゃないかな?
そのためにはネットで繋がることができるようにブログやtwitterで発信していくことが大事になってくると思います。
個性を感じるものを発信しないと注目されないけど。。
なかなか大変なことです。
僕も今、ブログで自主制作アニメや創作活動を発信することでおもしろい縁が生まれないかなぁ?と期待してやっています。
おかげさまで、いくつかステキな縁に恵まれました。
あ、もちろん技術的な探求心が強い人は、スキルを磨くことでいくらでもやっていくことができると思います。
スキルか、オリジナリティか。
どちらかを伸ばそう、ということです。
まとめ
未来がどうなるかなんて誰もわかってません。
それに将来ずっとCGデザイナーである必要もないと思います。
「CGも作るし、他の仕事もする」という働きかたも増えるはず。
ぼくも理想としてはCGデザイナーを週3日くらいやって、あとは畑で野菜をつくったり釣りをしたり、youtubeやブログで小銭を稼ぐような暮らしもいいなぁなんて思います。
動画コンテンツの力は強く、個人がなにか面白いことを起こせる時代なのです。
AIだとかロボットだとかがこれから人の仕事を奪うって言うけど、クリエイティブな仕事や娯楽は奪われません。
人を楽しませれる人なら将来も明るいと思います。
趣味と合わせて映像を発信すれば注目されるかもしれません。
あなたが考える「人を楽しませる方法」に3DCGが使えるなら希望に満ちた未来しかないんじゃない?
具体的にどうすればいいかわからない、という人はこれを見ればヒントが見つかるかも↓
そんな僕の自主制作アニメがこちら
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