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ありんとこ

どうしても、最高の物語を作りたいんだ。

ピクサーとディズニーのストーリーの作り方はブレイントラストにあり!

創作活動

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こんにちはCGデザイナーをやりつつ自主制作アニメを作ったりしてるありと申します。

昨日に引き続きピクサーの話題になりますが、個人的にまとめておきたいテーマがあったので、今日はそれをテーマにブログを書きます。

 

ピクサーで最も重要な文化のひとつに「ブレイントラスト」という会議(というか討論)の場があります。

 

テレビのドキュメンタリーを見てても、「よくこんなことが出来るなぁ」と思うばかりでしたので、ちょっと流れを簡単にまとめてみたいと思います。

みなさんも会社の会議などで使えるかもしれませんよ★

 

ブレイントラストとは

ピクサー映画は最初はつまらない、それを面白くするのがブレイントラストの仕事である。

 

どんなに才能を持った脚本家や監督でも、必ずどこかで自分を見失ってしまうので、明確な方向性を取り戻すには、忍耐と率直な議論が必要だということ。

 

ピクサーの監督は、自身が思いつき、撮りたくてしかたのない映画を撮っているので、製作中に確実に発生する問題に、監督がその情熱のあまり気付かないという事態がいくつか起こる。

その時のためにブレイントラストという相談相手が用意されている。

 

ブレイントラストと他のフィードバック体制の違い

大きく違う点は2つ。

  • ブレイントラストのメンバーはストーリーテリングに深い造詣を持つ人ばかりで、たいていそのプロセスを自ら経験している。
  • ブレイントラストには権限がなく、提案や助言に従う必要は無い。

ブレイントラストの流れ

会議の朝、作品の試作映像を観る。

上映後、会議室に移り、昼食を食べながらそれぞれの考えをまとめ、そして話し合いの席に着く。

参加するのは

  • 総指揮のジョン・ラセター
  • 監督
  • プロデューサー
  • 脚本家
  • ストーリーアーティスト(脚本を絵にしていく人)
  • 他の作品の監督

誰がどこに座るといった決まりはない。

みんなが向かいあうような形でテーブルを配置する。

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こんな感じで、テーブルにつけなかった人は壁側のイスに座る。

 

監督とプロデューサーが進捗状況を報告する。

誰もが平等に発言権を持つが、ジョン・ラセターが気に入ったシーンや改良が必要だと思うテーマやアイデアを挙げると、そこから率直な意見が飛び交い始める。

作品の強みや弱みについて、それぞれが自由に発言をする。

 

悪いところ、抜けている点、わかりにくい点、意味をなさないとことを指摘する、ただし具体的に。

 

それが批評と建設的な批評の違いです。批評すると同時に建設している。

どんな指摘をするにしても、相手を考えさせることが大事だと常に思っています。

だから学校の先生と同じことをします。

問題点を言い方を変えながら50回くらい指摘すると、そのうちどれかが響いて相手の目がぱっと開く。

「ああ、それやりたい」って思ってくれるんです。

 ブレイントラストの考え方

  • 指摘する側も、される痛みを自身も経験して理解できるという共感と当事者意識のうえで構築すべき。
  • 自尊心を満足させたい、功績を認めてもらいたいという欲求を持ち込ませない。
  • 目的はただひとつ、助け合い、支え合うことによってよりよい映画をつくること。
  • 信頼関係を築き、率直に話せるようになり、反撃を恐れず危惧や批判をできるようになり、建設的な批評の言葉遣いを覚えるまでには時間がかかる。
  • 批評を攻撃と受け取る人、フィードバックを咀嚼しやり直す能力のない人を助けることはできない。

 

まとめ

 文字にすると、普通の会議とあまり変わらないようにも感じますが、意識の問題が一番大きいのかもしれません。

討論で勝ちたい、自分のアイデアのすばらしさを伝えて有能なことをアピールしたい、という気持ちは一切なく作品を良くすることだけを全員が考えています。

 

「この脚本はよくない」ではなく、「ここはこうしたらどうだろう?」という愛情がこもった意見が多く飛び交うのです。伝え方って大事ですよね。

 

このようにしてブレイントラストを何回も行うことでピクサーのストーリーは面白くなっていくのです。

 

「魔法の映画はこうして生まれる」では、この会議の様子が見ることができます。

 

監督やプロデューサーが映画をつくるわけではなく「映画をつくっているのはクリエイター」「どの作品もスタジオ皆のもの」という信念があり、それを誇りに思っているというのが伝わってきました。

 

「塔の上のラプンツェル」の成功の後には、ジョン・ラセター、エド・キャットムル、監督、プロデューサーが映画に携わった数百人の社員全員、ひとりひとりに直接ボーナスを渡し、感謝の言葉とともに握手をしたんですって。

 

このように、みんなで作ってるという意識が浸透してるから感情的にならずに建設的な批評ができるんだろな~。

会社というより、チームって感じ。

 

以上、僕なりにまとめてみましたが詳しくはピクサー社長エド・キャットムル著「ピクサー流 創造するちから―小さな可能性から、大きな価値を生み出す方法」を読んでみてください。文中の引用はこちらの本からのものです。

マネージャー、クリエイター、ピクサーファン、ジョブズファンなら必見でしょう。

 

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なおピクサーアニメのようにおもしろいと僕の中で話題のアニメがこちら↓